お話を聞いた人
牧場を志望する新入社員の女性が多くなってきたことや、結婚や出産をする社員が出てきたことがきっかけといえばきっかけです。ただ「女性を歓迎します!」と特別呼び掛けているわけではないんです。働いてくれている人が女性だったので、そこに合わせて機械化や免許取得のサポートなどの環境を整えていったら、結果的に働きやすいものになったという感覚です。
男女別トイレ・屋外休憩スペースの整備を行いました。
今回活用させてもらった補助金がなかったら自分たちで作ろうか、と思っていたところにちょうど事業のお話があったので大変助かりました。
新入社員はトイレや休憩スペースがある状態からのスタートなので不満は持っていない状態ですし、入社して4~5年の女性スタッフは、とても快適になったと言ってくれています。もともと休憩スペースは更衣室としての利用が主で、長く滞在する場所との認識はなかったのですが、休憩室としても使うようになり、エアコンを追加したりとさらなる環境改善にも努めています。
課題としては、業務全体では力仕事がまだまだ多いので、もっと力を使わず仕事ができるようにしていきたいと思っています。
育児休業を取得中・取得予定のスタッフがいるので、シフトや勤務場所・勤務内容の調整をしたり、力仕事をなるべく避けられるようにしたりと配慮しています。その他、セクハラに対する周知や窓口の設置もしています。
牧場では基本的に泊まり込みの業務はなく、子牛の出産などは監視センサーで確認し、必要なタイミングで駆けつける体制を取るなどの取り組みも行っています。
2017年から新卒採用を始め、現在はインターンシップ経由で入社する方が多いのですが、「アットホームな雰囲気」「牧場がきれい」「飲食業など畜産から派生する業務にも関われる」などの理由で女性が入社し、女性社員がいることで新しい方がより入りやすくなる、という好循環が生まれています。
挙げていただいた内容以外にも皆さんの意見を拾い上げて対応しておられるとのこと、ソフト・ハードの両面から、働きやすい仕組みが整備されていることが伝わってきました。
2022年の「国際農業奨学金制度」日本代表スカラー第3期生※1に選出されて海外の研修などに参加する中で、海外と比較して日本の農業を見るようになりました。海外では農業が基盤になっている国も多いですが、日本では社会的に少しないがしろにされているように感じます。
そこから日本の農業人口を増やせるような取り組みをしていきたい、と強く思うようになりました。そのためには自分たちが見本になるような魅力ある働き方や事業をして、農業関連人口を増やしていきたいと考えています。
農業が強くなると国が強くなると思っているので、そこに寄与できるような会社にしていきたいです。
※1:「国際農業奨学金制度」 https://www.nuffield.jp/
現在、おいしいけれど精肉にできる部分の少ないジャージー牛を育てて、自分たちで販路を開拓したり、牛と豚を同時に飼育したり、他社ではほとんどやっていないことに取り組んでいます。
これからも、大変かもしれないけどおもしろそうなこと、心躍ることをやっていきたいと思っています。それが魅力ある農業につながると思います。
今は異業種の人が入ることがとても大事だと思います。「これまでこうだったから」と言われることが多い中で、異業種から「合理的でないよね」といった意見を出してもらえることが大切で、その意見が通るような雰囲気作りをしていかないと、と感じます。
農業は国を支える大事な業界です。農業がなければ人は生きていけません。
そんな重要な業界をもっと魅力あるものにして、日本をもっとすばらしい国にしていきましょう!