お話を聞いた人
家計や家事の負担を抱えながら、農業という、決して楽ではなく異業種に比べれば不安定な仕事を続けて行くのは簡単なことではありません。
会社にとっても、熱心に働いてくれるスタッフが退職することはとても大きな痛手です。
そんな中でお互い、家計のこと経営のことで頭がいっぱいになり、つい足りないことに目が行きがちですが、それだけではつまらない人生になってしまいます。
人生の毎日毎日の時間を少しでも心地よく充実したものにするために、働く環境はとても大切だと思うようになりました。よい環境でのよい仕事の結果として、家庭や会社の営みもうまくいくものだと考えるようになりました。
3ヶ所にプレハブの休憩スペースと女性用トイレを設置しました。
直接は聞けていませんが、スタッフの頑張りに応えて環境を良くしようという、会社としての姿勢だけは少し伝わったかなと期待しています。
設備はきれいなものができましたが、日々の業務の流れ上、それを十分に活用できる時間が限られています。業務上の段取りや動線といったソフト面での環境整備にまだ課題があると感じています。
トイレ・休憩室の整備の他、子育て中でも働きやすいように時短勤務可としたり、仕事量の季節変動を極力なくし、子育てや体力面で制限のある女性でも、比較的安定した収入を得られるような業務の組み立てをしています。
直接感謝を伝えることも大事だけど、パートさんたち同士がのびのび雑談できたり、その延長で仕事の工夫などを話せるような時間や場を作ることが大事、というお話もありました。程よい距離感を保ちながらスタッフの皆さんを見守っておられる様子が伝わってきました。
当初は田舎の青空の下で働きたいという動機でしたが、いまは食と農の循環を通して人々を幸せにしたいという思いで事業をしています。
農園で働く女性スタッフは、スーパーで買い物をして家庭で料理をする消費者でもあります。そのスタッフが日々汗を流して送り出す商品が、同じ消費者である他の誰かの笑顔になって、「ありがとう」が返ってくる。その気持ちの循環と経済の循環の中で、関わる人みんなが幸せになるように、あらゆることをデザインするのが経営者としての私の仕事だと考えています。
気持ちの循環と経済の循環、私も生活の中で意識する瞬間が多くあります。とても素敵な想いだと感じました!
関わる全ての人が笑顔でいられるように、強くて優しい会社にしていきたいです。
その結果として、食と農の好循環、人と自然の調和の一助になれたらと願っています。
基本的に農業は、タネをまいて収穫して出荷するという、シンプルで地味な仕事。
ですが、そこには極めて幅広い領域の知識や知恵や技術が関わっています。
生物、化学、物理、料理、小売、飲食、IT、コミュニケーション、ヴィジュアルデザイン、経理、マーケティングetc… 挙げればきりがありません。
たくさんの農園がありますが、これらのどこに強み弱みがあって何に重点を置いているかによって、求める能力や人材も多種多様です。
また、商品を提供する相手も、農業の場合、全人類が見込み客です。
老若男女や国籍を問わず、お金持ちもそうでない人も、元気な人もそうでない人も、あなたも私もみんなも、必ず食べますから。
つまり、農業をしていると、どんな人にもキラリと活躍する場があるし、何を見ても仕事のヒントになり得るし、誰と会っても活かせる学びを得ることができるし、どこへ行っても美味しい食材で人を喜ばせることができます。こんな美味しい仕事、私は農業以外で知りません。あなたもやってみてください。